
薬剤師の求人を探す際も、薬剤師以外の業界をチェックしたいときも、転職サイト・転職エージェントの
利用がおすすめです。
転職サイトや転職エージェントでは気になる業界や職種を絞り込むことができるので、自分が気になる
業界や職種を絞り込んで効率的に転職先を探せるでしょう。
また、在職時からいつでも登録できて自宅にいながら気軽に検索できる点もメリットです。
自分のペースで転職活動ができるので、普段は多忙でプライベートの時間が取りにくい薬剤師でも転職成功を
目指せます。
ここでは、薬剤師から他職種、または同じ薬剤師に転職したい方におすすめできる転職サイト・転職エージェント
をご紹介します。
1位 ファルマスタッフ

ファルマスタッフのおすすめポイント
- 全国に12の拠点を持ち、求人の裏側まで教えてくれる
- 地域密着の求人が多く、UターンやIターン転職にも活用できる
ファルマスタッフは全国に12の拠点を持ち、薬剤師の転職支援を24年も続けている老舗の転職サイトです。
20代や30代に強い薬剤師転職サイトでNo.1になった実績もあり、転職相談満足度は脅威の97.3%にものぼり
ます。
全国に拠点があることから地域密着型の求人を多く取り扱っており、求人に掲載されていない情報も転職者に
教えてくれます。職場の雰囲気はもちろん、組織のビジョンや経営者の考えなど、求人票にない情報からも
企業の情報を仕入れたい人はファルマスタッフがおすすめです。
またファルマスタッフは転職エージェントであり、必要書類の作成や面接日時の調整、給与や休日の条件交渉
まで、ファルマスタッフのキャリアコンサルタントがサポートしてくれます。
またファルマスタッフでは、グループ企業である大手薬局チェーン「日本調剤株式会社」の教育ノウハウを
取り入れた教育サービスを提供しています。
現場で即戦力として期待される薬剤師になれるようなスキルアップを実現できるでしょう。
サービス名 | ファルマスタッフ |
登録料 | 無料 |
運営会社名 | 株式会社メディカルリソース |
資本金 | 9,300万円 |
公開求人数 ※2024年3月19日時点 |
50,807件 |
対応地域 | 全国 |
対応業種 | 調剤薬局病院・クリニック、企業、ドラッグストア、ドラッグストア(調剤あり)、
その他 |
提出書類の添削サービス | あり |
面接対策サービス | あり |
許可番号 | 【派遣業】派 13-010770 【紹介業】13-ユ-010743 |
2位 マイナビ薬剤師

マイナビ薬剤師のおすすめポイント
- キャリアコンサルタントの顔を見ながら希望条件を伝えることができる
- 薬剤師専任のコンサルタントが求人に掲載されない情報まで用意してくれる
マイナビ薬剤師は転職市場でトップクラスの知名度を持つ「株式会社マイナビ」が提供している転職サイトです。
マイナビ薬剤師が転職者に人気がある理由としては、以下の3つがあります。
- キャリアコンサルタントの顔を見てやりとりできる
- 薬剤師専任のコンサルタントのサポートを受けられる
- 全国に拠点がある
一般的な転職エージェントでは、電話やメールだけでキャリアコンサルタントとやりとりすることも少なくあり
ません。
一方のマイナビ薬剤師では、キャリアコンサルタントの顔を直接見ながら相談が可能です。直接話すことで
電話やメールでは伝わりにくい、仕事に対する希望や、転職者の隠された強みや弱みをキャリアコンサルタントが
把握しやすくなります。
また、マイナビ薬剤師では薬剤師専任のキャリアコンサルタントが全国の病院やドラッグストア、病院・クリニッ
クなどに直接足を運び、採用担当者や薬剤師にヒアリングした情報を転職希望者に教えてくれます。
全国の拠点が14もあり、Uターン転職にも活用できます。引っ越した先の不慣れな場所で転職活動をする際も、
サポートしてくれる拠点が身近にあれば安心できるでしょう。
サービス名 | マイナビ薬剤師 |
登録料 | 無料 |
運営会社名 | 株式会社マイナビ |
資本金 | 21億210万円 |
公開求人数 | 非公開 |
対応地域 | 全国 |
対応業種 | 調剤薬局、病院・クリニック、ドラッグストア(調剤併設)、ドラッグストア(OTCのみ)、
一般企業(管理薬剤師:商社、卸、メーカー、物流など)、DI、学術、MSL、 メディカルライター、品質管理・品質保証・PV・薬事、営業(MR・MS・その他)、 その他企業、臨床開発モニター(CRA)、治験コーディネーター(CRC)、 臨床開発(QA、QC、DM、統計解析など) |
提出書類の添削サービス | あり |
面接対策サービス | あり |
許可番号 | 厚生労働大臣許可番号:13-ユ-080554 |
3位 ヤクジョブ

ヤクジョブのおすすめポイント
- 求人数は40,000件以上で、業界でもトップクラスに多い
- ベテランのキャリアコンサルタントがライフスタイルやキャリアプランに合う求人を紹介してくれる
ヤクジョブは、薬剤師求人を探すプロフェッショナルが、転職希望者に代わって要望にマッチした求人を紹介
してくれる転職サイトです。
求人数は2024年3月15日時点で48,383件と業界でもトップクラスに多い数字であり、取引している企業や
医療機関は7,000社以上もあります。
薬剤師向け求人はほぼ毎日更新されるため、数多くの選択肢の中から自分にぴったりの求人を見つけることが
できます。
個人の転職活動では出会えない非公開求人も多数あるため、薬剤師の資格を利用してキャリアアップを狙いたい
人にもヤクジョブはおすすめです。
求人紹介ではベテランの専任コーディネーターが多数在籍しており、転職希望者のライフスタイルやキャリア
プランに合う仕事を紹介してくれます。
給与交渉や面接対策なども任せられるので、多忙な薬剤師の方でも効率良く内定を狙えるでしょう。
さらに、ヤクジョブ経由で就職が決定した場合、薬剤師にとって必須の「今日の治療薬2024」がプレゼント
されるなど、多数のキャンペーンも開催されています。転職成功以外にも特典を得たい方は、ヤクジョブへの
登録を検討してみましょう。
サービス名 | ヤクジョブ |
登録料 | 無料 |
運営会社名 | クラシス株式会社 |
資本金 | 5,000万円 |
公開求人数※2024年3月19日時点 | 48,454件 |
対応地域 | 全国 |
対応業種 | 調剤薬局、病院、クリニック、企業、ドラッグストア(調剤併設)、
福祉施設・その他 |
提出書類の添削サービス | - |
面接対策サービス | - |
許可番号 | 【紹介業】 13-ユ-010302 【派遣業】 派13-010613 |
4位 ファル・メイト

ファル・メイトのおすすめポイント
- 全国の調剤薬局や病院などの派遣求人が豊富
- 一部地域を除いて時給2,800円と交通費全額支給が最低保証
ファル・メイトは、調剤薬局や病院など全国の好条件の求人や薬剤師派遣の案件が揃った人材支援・転職サイト
です。
薬剤師派遣は一部地域を除いて時給2,800円+交通費全額支給という好待遇が最低保証されています。
経験やスキルを活かしつつ、パート勤務よりも高い時給で働くことができるのは、派遣の大きなメリットです。
派遣であれば働く日数や曜日、時間などについて正社員よりも自由に決めやすく、ライフスタイルに合わせた
働き方ができます。
「子育てと仕事を両立させたい」などの希望がある人には、派遣薬剤師は良い選択肢になるでしょう。
また、1日のみの派遣でもファル・メイト負担で「薬剤師賠償責任保険」が適用されます。
社会保険や有給休暇が完備されていることもあり、安心して働けるでしょう。
また、「転職ガイド」「履歴書の書き方」「職務経歴書の書き方」など、転職成功をサポートしてくれるコラムも
充実しています。
サービス名 | ファル・メイト |
登録料 | 無料 |
運営会社名 | 株式会社ファル・メイト |
資本金 | 4,000万円 |
公開求人数※2024年3月19日時点 | 16,359件 |
対応地域 | 全国 |
対応業種 | 調剤薬局、病院、調剤併設店、OTC、企業 |
提出書類の添削サービス | - |
面接対策サービス | - |
許可番号 | 【派遣業】派27-300161 【紹介業】27-ユ-300093 |
5位 アポプラス薬剤師

アポプラス薬剤師のおすすめポイント
- 長年の活動からさまざまな医療機関や薬局などと信頼関係があり、好待遇求人が多く集まる
- パソコンやスマートフォン、電話などから最短30秒で登録できてすぐに転職活動を開始できる
アポプラス薬剤師は1994年から30年以上にわたって薬剤師の転職支援を実施している支援サービスです。
長年の活動から病院、薬局、ドラッグストアなどとの信頼関係が築かれており、他社では案内されないような
好待遇の求人が多数揃っています。
サポート登録すると薬剤師専任のキャリアコンサルタントがキャリアプランの設計を手伝ってくれ、多忙な
転職者に代わって面接日程の調整なども全面的に代行してくれます。
条件の交渉など転職者から切り出しにくい話題も代理で交渉してくれるので、より良い条件で入社することも
可能です。
アポプラス薬剤師への登録はパソコン・スマートフォン・電話・などから可能で、最短30秒で登録を完了させる
こともできます。
さらに、登録やサポートに費用は一切かからないのにも関わらず、調剤実技研修やスキルアップ研修を半額で
受講することもできます。
受講料は転職が決まれば無料になるので、お金をかけずにスキルアップが可能です。
サービス名 | アポプラス薬剤師 |
登録料 | 無料 |
運営会社名 | アポプラスキャリア株式会社 |
資本金 | 1億2,500万円 |
公開求人数 | – |
対応地域 | 全国 |
対応職種 | 調剤薬局、病院・クリニック等、企業、ドラッグストア(OTCのみ)
ドラッグストア(調剤併設店) |
提出書類の添削サービス | あり |
面接対策サービス | あり |
許可番号 | 有料職業紹介事業:13-ユ-312454 一般労働者派遣事業:派13-315001 |
6位 お仕事ラボ

お仕事ラボのおすすめポイント
- お仕事ラボを介して入社した人の定着率は95.6%
- 希望する求人が思いつ浮かばないときはキャリアコンサルタントから企業への逆指名も可能
お仕事ラボは、正社員はもちろん、派遣社員やパート社員まで、薬剤師のさまざまな雇用形態の仕事が見つかる
転職支援サービスです。
薬剤師に特化したコンサルタントが転職希望の薬剤師の方にベストの求人を紹介してくれるため、マッチング
精度が高くなっています。
その証拠に入社したあとの定着率は95.6%と非常に高い水準です。
転職希望者の希望を把握したうえで業界の動向まで見据えた求人紹介をしてくれるので、転職に対して不安が
ある人でも安心して任せられるでしょう。
転職者に希望求人が思い浮かばないときは専任のキャリアコンサルタントが企業に逆指名することも可能です。
また、お仕事ラボでは、薬局などの事情を把握している担当者が転職希望者の面接をおこなうワンストップの
サービスを提供しています。
「面接前の企業への連絡」「面接への同行」「面接後のヒアリング」など、登録から内定、入社までの全ての
タイミングでサポートが充実していることから、利用満足度は90%以上と高い水準になっています。
サービス名 | お仕事ラボ |
登録料 | 無料 |
運営会社名 | 株式会社AXIS |
資本金 | - |
公開求人数※2024年3月19日時点 | 18,002件 |
対応地域 | 全国 |
対応業種 | 調剤薬局(調剤専門)、ドラッグストア(調剤併設)、
ドラッグストア(OTC)、病院・クリニック、企業・その他 |
提出書類の添削サービス | あり |
面接対策サービス | あり |
許可番号 | 労働者派遣事業 許可番号:派13-306282 有料職業紹介事業 許可番号:13-ユ-307575 |
薬剤師が実際に転職を考える理由とは

薬剤師法に基づいて「薬剤の調剤・管理」「患者への服薬指導」などを行う国家資格である薬剤師。
薬剤師になるには、6年制薬系大学に入学して「薬学共用試験」「実務実習」「卒業論文」「国家試験対策」などの過程をクリアする必要があります。
それだけのハードな道のりをこなしてきた薬剤師なので、定年まで薬剤師で過ごしたいと考える人が多いでしょう。
ただ、実際にはさまざまな理由で薬剤師として転職を考えたり、薬剤師以外の道に転職を考えたりする人もいます。
ここでは薬剤師が転職を決意する理由として考えられるものとして、以下の7つをご紹介します。
- 業務量や残業が多くてプライベートな時間を確保できない
- 人間関係が悪くて職場にいたくない
- ミスが許されない仕事である
- 遠方に転勤になってしまった
- 業務が単調でつまらなく感じる
- 以前よりも労働環境が悪化した
- 教育を受けてキャリアアップできる環境ではない
業務量や残業が多くてプライベートな時間を確保できない
薬剤師が転職を考える理由として、業務量が多くてプライベートの時間を確保しにくいことが挙げられます。
薬剤師の就職先には「調剤薬局」「ドラッグストア」「病院」などがありますが、それぞれに大変さがあります。
調剤薬局では「調剤」「監査」「服薬指導」といった仕事があり、患者さん一人ひとりに丁寧に対応していると事務処理などの仕事がどんどん後回しになります。大量に残った事務仕事を残業時間でこなすことになり、体力的に厳しいと感じる薬剤師の方も少なくありません。
また、ドラッグストアなら一般社員と同様に発注や日用品・食材の品出しやレジ打ちといった業務があり、チラシが発行された特売日は閉店までかなりの忙しさが続くことになります。
病院勤めも同様で、カンファレンスや会議への出席をはじめ、薬剤師が担う役割は大きいものです。
このような仕事量の多さもあり、薬剤師からの転職を考える人も多いようです。
人間関係が悪くて職場にいたくない
薬剤師に限ったことではなく、人間関係のトラブルは仕事を辞める原因になります。
調剤薬局に勤める薬剤師の場合、少人数で仕事を回していることから、一度人間関係がこじれると改善をすることが難しいです。相性が悪いと感じる人と常に一緒に仕事をすることになり、仕事中はずっとストレスを感じることになるかもしれません。
ドラッグストアでは多くの従業員がいますが、なかでも正社員は薬剤師(店長)と化粧品担当1名といったケースもあります。同じ店舗の同僚と相性がよくないと、1週間のうちほとんどの日で自分に合わない相手と仕事をすることになるでしょう。少人数でシフトを回すことになるため、意図的に相手から離れることも難しいです。
また、ドラッグストアではパート社員やアルバイトとのやりとりでトラブルに発展する可能性もあります。
人間関係の悪化を理由に異動を希望することも不可能ではありませんが、実際に異動が実現するかは分かりません。
人間関係が悪化したまま改善されないと働きづらさが増してしまい、ほかの会社や他の業界に転職するきっかけになることもあります。
ミスが許されない仕事である
薬剤師の主な仕事は「調剤」と「服薬指導」です。これらの仕事をこなすためには、膨大な量の薬の種類について勉強しなければいけません。もちろん、日々登場する新薬を覚えて知識をアップデートすることも求められます。
そして、膨大な薬のなかから患者の症状に合うものをピックアップし、正しく調剤と服薬指導を進めることが必要です。
万が一にもミスがあると、些細なことでも患者の命に関わる可能性もあります。
「ミスができない」というプレッシャーに耐えかねて、薬剤師からほかの業界への転職を考える人も少なからずいるでしょう。
遠方に転勤になってしまった
異動に対するスタンスは、所属する企業によっても変わります。「無理な異動はさせない」という方針の薬局やドラッグストアもあれば、その逆でキャリア形成や経験を積むなどの目的で定期的に遠方への異動を命じる職場もあります。
「無理な異動はしなくても良い」と言われていても、人員の配置がうまくいかない場合は上長から異動を命じられる可能性はもちろんあるでしょう。
それまでは通勤時間が短くてプライベートの時間が確保できていたものの、異動後は数倍の通勤時間がかかってしまうケースもあるはずです。
薬剤師に限ったことではありませんが、あまりに遠方への異動になるとプライベートの時間がなくなることで不満が増大することは考えられます。
以前よりも労働環境が悪化した
調剤薬局でもドラッグストアでも病院でも、何らかの理由で労働環境が悪化する可能性はあります。
一例として考えられるのが「会社の買収」です。
大きな資本の会社に吸収合併されてしまうと、それまでの仕事の進め方ではなく、親会社のやり方で仕事を進めなければいけなくなります。
買収以前は社員同士の仲がよくて協力しながら仕事を進めていたような会社でも、合併によって雰囲気が変わると働きにくくなるかもしれません。
以前から会社に在籍していた社員と新しい親会社から出向してきた社員の間で、確執が起こる可能性もあります。
労働環境が悪化すると仕事を続けるモチベーションが低下し、転職を決意するきっかけになるかもしれません。
ただ、先ほどの例では買収によって労働環境が悪化したと紹介しましたが、必ずしも悪化するとは限りません。
買収後も今までと同じような働き方ができたり、むしろ今までよりも働きやすくなったりするケースもあります。
仮に上記のような買収劇があったとしても、必ずしも転職が正解とは限らないことは覚えておきましょう。
業務が単調でつまらなく感じる
薬剤師の仕事は、「調剤」「監査」「服薬指導」であり、これを1日のうちに何度も繰り返すことになります。
事務作業のような印象が強く、単調でつまらないと感じてしまう薬剤師の方もいるかもしれません。基本業務を単調でつまらないと感じてしまうと、薬剤師の仕事を続けるのが難しくなります。
働いている調剤薬局の立地や規模によっては、単調に感じる仕事の割合がさらに多くなる可能性もあります。
医者前の小さな薬局の場合は生活習慣病や慢性疾患に対する継続的な処方が中心です。自分の成長を実感できるような調剤や服薬指導をしにくいことから、つまらないと感じやすいです。
教育を受けてキャリアアップできる環境ではない
新人の薬剤師に対して教育の機会が設けられているのか、キャリアアップの機会が用意されているかは、働く職場によってさまざまです。
教育体制が整っていない会社の場合、新人にとっては成長を実感できない時期が長く続くことになります。
例えばベテラン薬剤師が多い小規模の調剤薬局の場合。ベテランが多いと、若手を教育しなくてもベテラン薬剤師だけで業務を進めることができてしまい、教育体制が整っていないケースもあるでしょう。
右も左も分からないまま放置されてしまうとキャリアアップの機会がなくなってしまい、単純作業を請け負うだけのワーカーになってしまう可能性もあります。
薬剤師としてのキャリアアップを果たせないと悩んだ結果、教育体制が整った他の会社や、ほかの業界に転職を決意する人もいます。
薬剤師が今の職場から転職するべきか判断する基準とは

薬剤師に限らず、多忙なためにプライベートな時間が確保できなかったり、労働環境が悪くなったりしたときは、転職を考えてしまうものです。
しかし、少しでも嫌なことがあるからと転職を繰り返していると、「採用してもすぐに辞めてしまう人」と判断されて内定を得られなくなっていきます。
転職が頭をよぎった薬剤師の方は、いきなり転職するのではなく「本当に転職するのが正解なのか」についてしっかり考えましょう。
今の職場から転職するべきか判断する基準には、以下の4点があります。
- 人間関係の良し悪し
- 残業の多さ・有給の取得しにくさ
- 賃金の低さ
- 結婚や出産などによるライフスタイルの変化
人間関係の良し悪し
人間関係の良し悪しは転職を検討する理由の1つにはなりますが、いきなり転職をすることが正解とも限らない点は注意が必要です。
まず、「上司と話が合わなくて辛い」「仕事の進め方が周囲と違う」といった悩みの場合。仕事をスムーズに進める人間関係を構築することも仕事の一部なので、自分から周囲に合わせる努力や周囲の意見をまずは聞くといった工夫で乗り切れないか考えてみましょう。
一方、心身にまで影響を及ぼしている場合は、すぐに職場を離れることが必要です。ただ、いきなり転職ではなく、まずは会社内で異動をするという選択肢があります。異動することで苦手な人から離れて安心して仕事ができるのであれば、無理に転職する必要はありません。
労働条件と人間関係の両方で不満を抱えているなど、どの部署や職場に異動しても満足できない場合や、今の職場からの異動の願いが叶えられない場合には転職を検討してみましょう。
ただし、「転職後に入社する企業でも人間関係が悪かったらどうしよう……」と不安になるケースもあるかもしれません。
いきなり正社員として転職することに不安を感じるなら「紹介予定派遣」の制度を利用する方法があります。
紹介予定派遣とは、派遣先の企業に直接雇用されることを前提に、派遣社員として一定期間働く働き方のこと
一定期間は派遣社員として働くことになるので年収は前職の正社員時代より下がることがありますが、実際の職場を体験してから正社員になるかを検討できます。仕事のミスマッチを防ぎ、人間関係も把握した状態で正社員としての生活をスタートできるでしょう。
紹介予定派遣で働いてみて「思った職場と違った」「ここも人間関係がよくない」と感じた場合は、正社員への昇格を辞退することも可能です。
残業の多さ・有給の取得しにくさ
残業が多すぎて体力的に疲れてしまったり、休みが少なくてプライベートの時間が取れなかったりする薬剤師の方もいます。
残業の多さや有給の取得しにくさで苦しんでいる場合、その状況が以下のどちらに当たるのかをまずは考えましょう。
- 会社全体で残業が多く、有給を取りにくい
- 店舗に原因があるだけで、他の店舗や部署ではもっと残業が少なく、有給もよく取得できる
残業が多いことや有給を取得しにくいことが会社全体で発生しているなら、部署異動をしても状況が改善されることはありません。転職活動を検討するべきと判断できます。
一方、時点の店舗に原因があるだけで、ほかの部署や店舗では比較的残業が少ない・有給が取得しやすいということなら、まずは状況が改善されるか様子を見てみましょう。
単に、「退職者が短期間で出たために人手が足りない」ということなら、本社から新しく入社した薬剤師が異動してきたり、店舗ごとに採用活動をしたりすることで短期間に問題が解消するケースもあります。
一方、「上司が有給を取得するのに難色を示す」「何となく定時で帰れない雰囲気がある」という場合は、短期間では解決しません。ほかの店舗への異動を願い出るか、転職を検討することになります。
ただ、異動先でも同様の問題が起こる可能性もあります。異動しても自分が希望する働き方を実現できないのであれば、やはり転職を検討したほうが良いでしょう。
賃金の低さ
賃金が低いと感じる場合は、より高年収を目指せる会社への転職をおすすめします。
賃金は企業の就業規則や給与テーブルで決まっていることであり、短期的な解決が難しいためです。
「基本給が低いから残業で稼ぐ」というスタイルの人もいるかもしれませんが、働き方改革で残業時間が削減されてしまうとそれも難しくなります。
今の職場の給与体系を確認し、「残業手当などを除いた基本給が満足できるレベルなのか」を自問してみましょう。
結婚や出産などによるライフスタイルの変化
特に女性の場合、結婚や出産、子育てなどが理由で今までと同じ働き方が難しくなるケースがあります。
時短勤務などに対応した職場であれば、そのまま働き続けても問題はありません。しかし、子育てをしながら働きたい薬剤師をサポートする制度がない場合は、転職した方がワークライフバランスを取れた働き方を実現できるでしょう。
薬剤師が転職先を探す方法

薬剤師とはいえ、転職活動の進め方は一般的な企業に勤めている人と大きくは変わりません。
転職先の探し方として代表的なものは以下の4つです。
- ハローワークを利用する
- 企業ホームページで求人を探す
- 友人・知り合いから紹介を受ける
- 求人紹介サイトを活用する
ハローワークを利用する
「転職」というキーワードを聞いて、ハローワークを連想する人は多いでしょう。
薬剤師が転職する方法として、ハローワークを活用することも選択肢の1つでしょう。
ハローワークは全国展開している大企業よりも、地元の中小企業が掲載されている傾向にあるため、地元で働きたい人や都市部からUターン転職したい人に向いています。
ただ、ハローワークは薬剤師だけでなく、あらゆる求人が掲載されています。薬剤師に特化した転職サイトや転職エージェントよりも薬剤師向けの求人掲載数が少ない傾向にあります。
例えば「全国の調剤薬局を比較検討したい」という場合にあまりおすすめできません。
薬剤師として転職するならハローワークをメインにするというより、転職サイトや転職エージェントの補助的な意味合いで利用するほうが良いでしょう。
企業ホームページで求人を探す
調剤薬局やドラッグストアなどの公式ホームページにある「リクルート」「人材募集」などと書かれたページにアクセスし、求人情報をチェックする方法です。
募集要項が自分の希望に合致している場合には、企業のホームページから直接応募することになります。
自分のペースで好きな企業の公式サイトを巡ることができるのが大きなメリットです。
ただ、企業の公式ホームページを1社ずつ回って求人をチェックしていくのは、非常に根気が必要な作業です。
また、スケジュール調整や提出書類の準備などを全て自分1人でこなすことになるので、相談できる人がいなくて不安に感じることもあるかもしれません。
狙っている企業が明確で他にあまり興味がない場合や、候補になる企業が少ない場合はこの方法も選択できますが、「誰かに相談しながらじっくりと転職先を比較検討したい」というケースでは向いていません。
友人・知り合いから紹介を受ける
薬剤師に限った話ではありませんが、友人や知り合いからの紹介で転職することも可能です。
薬剤師の場合、大学の同期に誘われる形で引き抜かれるようなケースが想像できるでしょう。
友人からの紹介なら面接に参加できる可能性が高く、スピーディに内定を得られるかもしれません。
ただし、友人からの紹介の場合、雇用条件があいまいになりやすい点に注意が必要です。
条件面を友人から口頭で聞いていただけの場合、「入社直前に労働条件を聞いてみたら全く違った……」というトラブルが発生する可能性もあります。
友人が入社した当時と新入社員の給与待遇が異なる可能性があるため、友人とはいえ鵜呑みにするのは危険です。
雇用条件に関しては友人から口頭で聞くだけではなく、入社の意思を固める前に企業の採用担当者に書面で確認しましょう。
求人紹介サイト(転職サイト)を活用する
最後に紹介するのは、「転職サイト」「転職エージェント」に登録して、オンラインで転職活動を進める方法です。
転職サイトも転職エージェントも、さまざまな業界の求人が1つのサイト上に掲載されていて、希望に合う求人を見つけて転職活動に活かせることは同じです。
両者の違いとしては、主に以下のようなものが挙げられます。
転職サイト | 自分の好きなタイミングで転職活動が行える。活動のペースも自由で、誰かに急かされるようなことはない。サイトによってはヘッドハンターや企業側からのスカウトが届くこともある |
転職エージェント | 専任のキャリアコンサルタントから求人の紹介や書類添削といったサービスを受けられる |
これまで紹介してきた「ハローワーク」「企業の求人情報を見て回る」「友人からの紹介」と比較して、もっともおすすめ度が高いのが転職サイトや転職エージェントを活用する方法です。
まず、転職サイトや転職エージェントは企業を退職せず、仕事を続けながら転職活動ができます。一方のハローワークは基本的に離職をした人向けの公共機関であり、在職中の求人応募には一定の制限を受けることがあります。
また、転職サイト・転職エージェントではあらゆる業界・業種の求人が数万~数十万件も集まっています。企業のサイトを1つずつ見て回るよりも効率的に比較検討が可能です。
友人からの紹介と違って募集要項や福利厚生といった情報が正確に記載されているため、入社後の待遇がイメージしやすくなっています。
注意したいのは「転職サイト・転職エージェントの数の多さ」です。それぞれのサイトで強みのある業界やサービス内容が異なるため、どのサービスが自分に合うかを見極めることが難しいと感じる方もいます。
そこで次章では、数ある中から自分に合う転職サイト・転職エージェントを選ぶポイントをみていきましょう。
薬剤師向けの転職サイト・転職エージェントを選ぶ際のポイント

前項では転職先の探し方として「ハローワーク」「企業のホームページ」「友人や知り合いからの紹介」「転職サイト・転職エージェント」を候補として紹介しました。
このなかでも特におすすめできるのは「転職サイト・転職エージェント」です。
企業のホームページを一つひとつ回って求人をチェックするのは、企業名を調べてアクセスするだけでもかなりの時間がかかります。また、その企業が従業員を募集しているかどうかも分かりません。
転職サイトであれば、気になる業界や職種の求人が一覧で表示されるので、企業ホームページをチェックして回る必要がありません。
ただ、ひとくちに転職サイト・転職エージェントといっても、その種類やサービス内容はさまざまです。
ここでは、薬剤師が転職サイトや転職エージェントを選ぶ際にチェックしておきたいポイントについて、以下の6点をご紹介します。
- 総合転職サイトか、専門の転職サイトか
- 求人数は多いか
- サイトの使い勝手は良いか
- サポート体制は秀逸か
- 転職サイトの口コミや評判は良いものか
- 運営元は信頼できるのか
総合転職サイトか、専門の転職サイトか
ひとくちに転職サイト・転職エージェントといっても、対象になる転職希望者はサイトによって以下のように異なります。
- 誰でも利用できる一般的な総合型の転職サイト・転職エージェント
- 薬剤師の転職に特化した専門性の高い特化型の転職サイト・転職エージェント
薬剤師の方が転職活動をする場合、薬剤師の転職に特化した転職サイトや転職エージェントを選ぶことがおすすめです。
薬剤師からの有力な転職先である「病院」「調剤薬局」「ドラッグストア」「MR」などの求人が多く掲載されており、あらゆる業界の求人が集まった総合型の転職サイト・転職エージェントと比較しても求人の絞り込み検索がしやすいです。
また、特化型の転職エージェントに在籍しているキャリアコンサルタントは薬剤師に関連する業界の転職事情を知り尽くしたプロです。
初めての転職活動で薬剤師が抱える不安に対して的確なアドバイスを受けられたり、希望にピッタリあう優良企業を紹介してもらえたりします。
求人数は多いか
転職サイトや転職エージェントを選ぶ際、特に注目したい項目が「求人数の多さ」です。
掲載企業数が少ない転職サイトや転職エージェントでは候補になる求人が見つからず、優れたサービスやサポートがあったとしても転職を成功させることができません。
また、転職サイトごとに「業種」「職種」の得意・不得意が異なる場合もあります。
例えば同じくらいの求人数の転職サイトでも、「調剤薬局の求人が多いがドラッグストアの求人が少ないサイト」があれば「ドラッグストアの求人が多いが調剤薬局や病院関係の求人は少ないサイト」もあるという具合です。
全業界合計の求人数だけで転職サイトや転職エージェントを決めるのではなく、薬剤師に関係する業界や業種、自分が転職したいと考えている業界や職種の求人数が多いかどうかは必ず確認しましょう。
サイトの使い勝手は良いか
転職サイトや転職エージェントを利用する際、Webサイト自体の使いやすさも重要な要素です。
自分にとって「見にくくて利用しづらい」転職サイトでは、目的のページにたどり着くまでに時間がかかってしまい、ストレスの元になります。時間内に目標としていたページを見つけられないサイトでは、転職活動の効率が大きく低下することが考えられます。
薬剤師として働く方は多忙であり、余った時間を最大限に有効活用して転職活動をしたいと考える人は多いはずです。
転職サイトや転職エージェントを選ぶなら、直感的に操作できて目的のページまで最短で辿り着けるような使い勝手の良いサイトを選ぶと良いでしょう。
サポート体制は秀逸か
転職サイトや転職エージェントごとにサポート内容が異なるケースもあるので、自分にもっとも合うサポートを受けられるサイトを選びましょう。
薬剤師向けの転職サービスは、多くが専属のエージェントがつく転職エージェントですが、サポートしてくれる内容に違いが見られる場合もあります。
- 公開求人や非公開求人が多く、キャリアコンサルタントが数多くの選択肢を紹介してくれる
- 求人票には掲載されていない、企業の内部事情を詳細に教えてくれる
- キャリアコンサルタントの質が高く、転職希望者の質問に丁寧に回答してくれる
- 退職や入社時のサポートが手厚い
このように、それぞれの転職エージェントで強みがあるので、絞り込んだサイトをいくつか利用してみて、もっとも自分にとって有益なサービスを提供していると考えられるWebサイトを選びましょう。
転職サイトの口コミや評判は良いものか
転職サイトや転職エージェントを利用するか検討中で「口コミや評判がよくないサイトは利用したくない……」とお悩みの人もいるのではないでしょうか。
転職サイトやエージェントの口コミや評判を知ることは、自分に合うWebサイトを見つけるうえで大いに参考になります。
評価が高く、数多くの転職成功者の口コミや評判が見られる転職サイト・転職エージェントなら、自分も転職を成功させられる可能性が高いでしょう。
ただ、口コミはあくまでも感想であり、自分が利用しても全く同じ結末になるかは分かりません。特に悪い口コミや評判は感情的に書き込まれた可能性もあり、全てを鵜呑みにする必要はないでしょう。
避けたいのは、ろくに情報収集をせずに以下のようなサイト選びをしてしまうことです。
- 評判をろくに調べず、口コミがよくない転職サイトを利用してしまう
- 良い口コミや悪い口コミを全て信じて転職サイトやエージェントを絞り込んでしまう
口コミを丁寧に調べるのは大変な作業であり、調べていくのが面倒に感じることもあるかもしれません。ただ、相棒になる転職サイトを決めることは自分の将来に影響する大事な作業なので地道に調べてみましょう。
良い口コミのサイトを見つけたら、積極的に会員登録をして自分で操作してみましょう。
キャリアコンサルタントと話をしたりサポートサービスをチェックしたりして、自分もその転職サイト・転職エージェントに満足できることを確かめてみましょう。
運営元は信頼できるのか
薬剤師は専門スキルと資格を持った有望な逸材ですが、いざ転職活動を始めると人によっては内定を得るまでに長い時間がかかることもあります。長い時間をかけて利用する転職サイト・転職エージェントが、信頼できるところであるかは安心して転職活動を進めるにあたって非常に重要です。
転職サイトや転職エージェントを比較しても絞り切れない場合は、運営元が信頼できる企業かどうかも1つの判断材料にすることをおすすめします。
信頼できるWebサイトを探すなら、運営元の特徴が以下のどれかに当てはまっていることを確認してみましょう。
- 転職サイト・エージェントの運営歴が長い(10年以上が理想)
- 転職成功の実績が豊富で、公式サイト上で数値実績やインタビューが記載されている
- 運営元の企業がプライム市場などに上場している
まだ運営が開始されて間もない転職サイトや、転職実績が公表されていない転職サイトでも一律に悪いと決まったわけではありません。とはいえ、利用するならやはり実績豊富な老舗の転職サイト・転職エージェントのほうが安心です。
気になる転職サイトや転職エージェントが見つかったら、運営元の情報もセットで確認してみると良いでしょう。
薬剤師が転職サイトを利用することのメリット

いまの仕事から別の仕事に乗り換えたい人が転職活動をするにあたって、利用できるサービスには「ハローワーク」「求人情報誌」「転職サイト」「転職エージェント」などがあります。
多忙な薬剤師の方が転職を成功させるなら、休日に在宅で仕事探しができ、サイトごとのサポートを受けられる転職サイトや転職エージェントの利用がおすすめです。各種サービスを利用することで、貴重なプライベートの時間を有効に活用して効率良く転職活動が進められます。
ここでは、薬剤師が転職活動で「転職サイト」「転職エージェント」を利用することのメリットについて紹介します。
具体的に考えられるメリットは以下のとおりです。
- 無料で手厚いサポートが受けられる
- 全国の求人情報が手に入る
- 募集要項だけでは分からない裏情報をもらえるときがある
- 履歴書・職務経歴書の作成をサポートしてくれる
- 薬剤師業界に精通したキャリアコンサルタントのサポートがある
- いま勤めている会社を円満に退社しやすい
- 掲載にコストがかかることで採用に積極的であることも多い
無料で手厚いサポートが受けられる
転職エージェントも転職サイトも、転職希望者は無料で利用ができます。その理由は、転職サイトも転職エージェントも、企業側から広告料や報酬を受け取っているためです。
転職サイト:求人掲載時に企業が広告料を支払う
転職エージェント:転職希望者が入社した段階で企業から報酬が支払われる
企業からの支払いによって利益を得ているため、転職希望者は無料でさまざまなサービスを受けることができます。
特に転職エージェントなら、「希望に合う求人の紹介」「書類の添削」「企業への推薦」「模擬面接」「面接への同行」「退職・入社のスケジュール作成」など、至れり尽くせりなサービスを利用することが可能です。
全国の求人情報が手に入る
転職サイトまたは転職エージェントが全国の求人に対応していれば、全国の求人を一気に紹介してくれることもあります。
薬剤師の方のなかには、「東京に出て働いてみたい」「地元にUターンして再就職したい」など、働く地域について希望を持っている人も少なくないでしょう。
全国規模で求人を集めている転職サイトや転職エージェントなら、Uターン転職やIターン転職の夢を叶えることも十分に可能でしょう。
また、転職エージェントなら、ほかの転職サイトや一般的な求人広告では出回らない「非公開求人」を抱えている場合もあります。
非公開求人は一般的な採用よりも高いステージ(管理職・役員など)の求人が多く、より好待遇な求人に出会える可能性があります。
募集要項だけでは分からない裏情報をもらえるときがある
転職エージェントでは専任のキャリアコンサルタントが希望に近い企業の求人を紹介してくれますが、ただ単に情報を流してくれるだけではありません。
求人情報だけでは分からない「職場の雰囲気」「人間関係」など、いわゆる裏情報まで教えてくれます。
求人情報だけで「自分に合う天職だ」と思っていざ転職してみると、人間関係がうまくいかなくて早期退職になってしまうようなケースは決して少なくありません。
キャリアコンサルタントから職場の雰囲気や社風などを事前に聞いておくことでミスマッチのない転職が可能になります。
なお、一部の転職サイトでも面談による相談サービスを実施していることがあります。転職エージェント同様に、求人情報に載らない情報まで教えてくれるでしょう。
いま転職サイトを利用している人は、面談サービスを利用できるか確認してみましょう。もし面談サービスがない場合、面談サービスありの転職サイトや転職エージェントを2社目に利用してみると良いでしょう。面談を通じて、普通に転職活動をしただけでは手に入らない情報を得られます。
履歴書・職務経歴書の作成をサポートしてくれる
転職エージェントを利用する場合、履歴書や職務経歴書の作成をサポートしてくれたり、作成した書類の添削をしてくれたりします。
転職サイトを通じて自分で応募する場合、1社ごとに職務経歴書や履歴書を作成して、応募先に送付・送信する手間が発生します。また、作成した書類の内容について誰にもチェックしてもらえないため、仮に書類審査を通過できなくても何が原因かが分かりにくいです。
転職エージェントを利用する場合、企業ごとにどのような書類を作成すれば採用担当者に評価されやすいかをアドバイスしてくれます。
また、実際に作成した履歴書や職務経歴書の添削までしてくれるので、より状態の良い書類を企業に提出できるようになります。
何としても書類選考を突破したい人や、書類選考の通過率を少しでも高めたい人は、転職エージェントを利用すると良いでしょう。
薬剤師業界に精通したキャリアコンサルタントのサポートがある
薬剤師に特化した転職サイト・転職エージェントに登録する場合、転職希望者1人につき1人の専任キャリアコンサルタントがつくことが多いです、
各キャリアコンサルタントは薬剤師の仕事や転職事情に詳しいプロであり、薬剤師の仕事内容や大変さを理解したうえで親身に相談にのってくれます。
不安や悩みに対する的確なアドバイスを受けることができれば気になっていた悩みが解消され、晴れやかな気持ちで転職活動に集中できるようになるでしょう。
いま勤めている会社を円満に退社しやすい
転職エージェントを利用することで、いまの会社の退職と新しい職場への入社を両方サポートしてくれるメリットも得られます。
新しい仕事が決まったあと、今まで働いていた企業に退職届を提出し、退職手続きを進めなければいけません。
「退職の意思を示す」「引き止め対策をおこなう」「引継ぎ」「挨拶回り」などやることが多く、不安を感じる人も多いでしょう。
転職エージェントでは、「退職を願い出るのに最適なタイミング」や伝え方についてアドバイスをしてくれます。初めて転職を経験する人でも、スムーズに転職活動を進められるはずです。
仮にいまの企業と退職日の交渉がうまくいかなかった場合、入社予定の企業との入社日の再交渉を転職エージェントに依頼することもできます。延期せずに入社できるのが一番ですが、どうしても退職に手間取っている場合は相談してみましょう。
ただし、転職エージェントで利用できる退職に関するアドバイスはあくまで「入社日の調整」「退職手続きを進めるアドバイス」に留まります。
利用者に代わって退職手続きを進める、いわゆる「退職代行サービス」は提供していません。
あくまでも退職の手続きは自分自身で進めなければいけないことは覚えておきましょう。
掲載にコストがかかることで採用に積極的であることも多い
薬剤師向けの「転職サイト」に掲載されている企業は、積極的に採用をしていることが多いです。
企業の求人を転職サイトに掲載する際、数十万円単位で掲載料・広告料が発生します。
無料で掲載できるハローワークではなくわざわざコストがかかる転職サイトに掲載している以上、「良い人材を獲得したい」と採用に積極的であることが考えられます。
ちなみに、「転職エージェント」では成果報酬型の手数料を採用しているケースが多いです。転職者が転職エージェントの仲介を通して企業に入社した段階で、一定の手数料(一般的には年収額の30%程度)を企業から転職エージェントに支払うという仕組みです。
すでにコストが発生している転職サイトと異なり、長い目線で転職希望者を探している可能性があります。
いますぐに優秀な人材が欲しいと考えている採用意欲の高い企業を探すなら、転職サイトをメインに登録してみるのがおすすめです。
薬剤師が転職サイト・転職エージェントを利用することのデメリット

薬剤師が転職サイトや転職エージェントを利用することで「キャリアコンサルタントからの手厚いサポートが受けられる」「求人情報だけでは分からない職場の雰囲気などの裏情報を教えてもらえるときがある」など、さまざまなメリットがあります。
ただし、転職サイトや転職エージェントのサービスについて、人によってはデメリットに感じるものもあります。
ここでは、薬剤師が転職サイトや転職エージェントを利用するにあたって、デメリットに感じやすい部分について紹介します。
具体的にデメリットとして挙げられる内容は以下のとおりです。
- 担当者と相性の悪さを感じることがある
- キャリアコンサルタントごとにサポートスキルに差が出る
- 連絡がしつこいと感じることもある
担当者と相性の悪さを感じることがある
転職サイトや転職エージェントを利用すると、専属のキャリアコンサルタントから求人を紹介してもらえたり、希望する転職先について希望を聞いてもらえたりします。
ただ、キャリアコンサルタントも人間なので、ユーザーから見て「話がかみ合わない」「相性が良くない」と感じることもあるかもしれません。
担当のキャリアコンサルタントと自分の相性が悪いと感じたら、遠慮せずに転職エージェントに担当者の交代ができないか相談してみましょう。
また、複数の転職エージェントを利用するという選択肢もあります。複数のキャリアコンサルタントとやりとりをしてみて、もっとも相性が良いと感じた担当者が在籍する転職エージェントをメインで利用することで、ストレスなく転職活動ができるでしょう。
キャリアコンサルタントごとにサポートスキルに差が出る
転職エージェントは、転職活動について知り尽くしたプロのキャリアコンサルタントが複数名在籍しています。
ただし、キャリアコンサルタントによっても知識やサポートスキルに違いがある点には注意が必要です。
例えば「若手のキャリアコンサルタント」「ベテランのキャリアコンサルタント」では、業界に対する知識量や、サポートを受けられるタイミングなどに差が出ます。
また、ベテランのキャリアコンサルタントでも人によってサポートの内容が異なるケースもあります。
サポートを十分に受けられていないと感じるなら、早いうちに転職エージェントに担当者の交代を申し出ましょう。ただ、交代した担当者もサポートスキルに満足できない可能性もあります。
交代しても満足するサポートを受けられないなら、別の転職エージェントに登録してみることも選択肢の1つです。
連絡がしつこいと感じることもある
転職エージェントは、企業が求人を掲載したり、転職希望者が利用したりするのにお金がかかりません。
転職希望者が内定を得て企業に入社して初めて、転職エージェントに手数料が支払われるシステムです。
いかに多くの転職希望者が内定を得られるかが企業の業績に直結するため、キャリアコンサルタントはそれぞれ転職希望者が内定を得る数について数値目標が与えられています。
担当者によっては、転職希望者が希望していない「内定を得やすい求人」ばかりを何度も紹介してくる可能性もあります。自分のペースでゆっくり転職したい人や目標・希望を妥協したくない人は紹介求人を断っても問題ありません。
ただし、求人の紹介を受けても求人応募などのリアクションをしない場合、担当者によっては転職を急かすような連絡をしてくる可能性もあります。
転職希望者にとって「質が低い」「親身になってくれない」と思うなら、正直に転職エージェントの運営に理由を話して担当者を交代してもらいましょう。
応募できる求人が制限されるケースがある
転職エージェントを利用する場合、基本的にはキャリアコンサルタントから自分に合う求人が紹介されるのを待つことになります。
ただ、転職希望者のスキルや経験が企業の求める人物像にマッチしていない場合、キャリアコンサルタントの判断で求人が紹介されないケースもあります。
自分の好きなタイミングで求人を探したい人や、気になる企業に自由にエントリーしたい人は、自分だけで転職活動を進められる「転職サイト」のほうが合っているかもしれません。
一方、転職エージェントでは自分のスキルや経験次第で、自分が想定していた以上の企業の求人を紹介してもらえることもあります。
転職エージェントで可能な限り多くの求人を紹介してもらうなら、応募に必要な情報を単に伝えるだけでなく、自分の魅力を余すところなくキャリアコンサルタントにアピールすることが大切です。
薬剤師の資格を活かせる主な転職先

薬剤師の資格を活かして転職するなら、同じ薬剤師で転職するのがもっとも効果的です。
しかし、薬剤師の仕事で得た知識や経験が活きる業界や職種はほかにも多くあります。
「薬剤師時代の知識を活かしながら、薬剤師以外の仕事にチャレンジしたい」と思っている方が、薬剤師以外の仕事を見つけることは十分に可能です。
例えば製薬会社の研究職などは、薬剤師としての知識をフル活用しながら研究を進めることができるでしょう。
もちろん、薬剤師の資格を活かせる仕事はほかにもたくさんあります。薬剤師からほかの職種への転職を希望している方は、まず「薬剤師の資格を活かせる仕事とは何なのか」について理解を深めておきましょう。
薬剤師の資格を活かせる職場として、主に考えられるのは以下のような仕事です。
- 調剤薬局・ドラッグストア
- MR
- 病院
- CRO・SMO
- 製薬会社の研究職
- SMOの治験コーディネーター
調剤薬局・ドラッグストア
ドラッグストアは、調剤薬局と並んで薬剤師資格を持つ人の就職・転職先として一般的な業種です。
全国にチェーン店を展開する企業が多数あることから求人が多く、ほかの職種に比べて転職しやすいというメリットがあります。
また、薬剤師の資格を持っている人は持っていない人よりも圧倒的に高年収が実現できる点もメリットです。
例えば某大手の求人を見てみると「総合職」と「薬剤師職」で以下のように給料が異なります。
総合職 | 全国社員:大学卒/月給220,000円以上 地域社員:大学卒/月給198,000円以上 |
薬剤師職 | 月給335,000円~ |
薬剤師の業務内容は調剤薬局・ドラッグストア併設調剤薬局、在宅医療と書かれていて、店舗運営に従事する総合職とは異なります。
いずれにしても、薬剤師資格を持っていることで毎月10万円以上、年間で120万円以上の収入の差が発生します。
ただし、店舗にもよりますが、ドラッグストアでは薬剤師でも総合職と同様に店舗の品出しやレジ、接客、シフト作成を行うことが多いです。
薬剤に関する知識や調薬のスキルだけでなく、コミュニケーションスキルや従業員の管理能力など、店舗を運営するための総合的な能力も求められます。
MR
MRは「Medical Representative」の略で、医薬品メーカーで働く医薬情報担当者のことです。
病院やクリニックに自社の医療用医薬品の情報を提供したり、使用された医薬品の有効性をヒアリングしたりといったことが仕事になります。
医療機関に医薬品を売り込む「営業マン」と考えると分かりやすいでしょう。
MRとして働くなら、売り込む医薬品が「どのような疾患に有効か」「どのような効果があるか」「類似の医薬品と何が違うか」「服薬のメリット・デメリット」などを説明することが求められます。
医師や薬剤師と対等に話し合うには専門的な知識の習得が不可欠です。医薬品の効能を説明するためには、文献にもとづくデータやエビデンスの提供も必要です。
医薬品のプロである薬剤師の知識はMRにマッチしており、転職後も薬剤師の知識を活かして活躍することも十分に可能でしょう。
病院
病院は、薬剤師の転職先として代表的なものの1つです。主な業務は病院内の調剤で、細心の医学や薬学に合う専門知識を用いた調剤スキルが求められます。
病院は医師・看護師・薬剤師などさまざまな医療従事者が各分野で専門家として意見を出し合う「チーム医療」が日夜おこなわれています。
病院でしか経験できない業務があったり、チーム医療で他の医療従事者とのやりとりが求められたりすることで、専門的なスキルやコミュニケーション能力が自然と身についていきます。
近年は「専門薬剤師」という認定制度が発足されるなど、薬剤師の高度な専門知識の重要性が注目を集めるようになっています。チーム医療のなかでも薬剤の専門家としての役割が強く求められています。
労働環境に目を向けると、調剤薬局やドラッグストアよりも働きやすいケースが少なくありません。病棟の営業時間が平日8:30~17:30前後が主流であるためです。もちろん、病院によっては土日祝日の勤務や夜勤が必要な可能性もあります。
転職希望の病院に土日祝日の勤務や夜勤がないか、事前に確認しておきましょう。
また、女性の薬剤師の方は、育休からの復職がしやすいというメリットもあります。病院内には保育施設が設けられているケースも多く、育休上がりに子どもを保育施設にあずけながら働くことができます。
CRO
CROは「Contract Research Organization」の略で、日本語では「医薬品開発業務受託機関」と呼ばれています。
製薬会社の医薬品開発で避けては通れない「治験」について、製薬会社から委託されて代行するのが主な仕事です。
治験とは、薬の候補になる物質を健康な成人や患者に使用し、「効果」「安全性」「適正な投与量」「投与方法」などを確認する臨床試験のこと
受託する主な業務内容は以下のとおりです。
- 臨床試験の実施・モニタリング
- 症例報告書のデータマネジメント
- 新薬承認申請の実施・支援
- 医薬品の流通販売後の安全性の調査分析 など
新薬の臨床試験には膨大な時間とコストがかかるだけでなく、薬学に関する専門的な知識が求められます。薬の専門家である薬剤師なら、CROとして活躍できる可能性は十分にあるでしょう。
一般社団法人日本CRO協会によれば16年で約10倍まで市場が成長しており、今後も拡大傾向が見込まれています
将来性の高い業界で働きたい人にとって、CROは魅力的な業種といえます。
製薬会社の研究職
製薬会社は薬剤師にとって人気の仕事先の1つです。調剤や服薬指導をおこなう一般的な薬剤師と異なり、薬の研究や開発に携わることが多く、大きなやりがいを感じながら仕事ができるメリットがあります。
新薬のアイデアを医薬品にするための設計や製造をおこなうのが主な仕事であり、臨床試験を進めることで新薬としての効果と安全性を両立させていくことになります。
ドラッグストアや調剤薬局のようなレジ業務や顧客への説明といった仕事と比較して、対人ストレスなく仕事を進めやすい点もメリットです。
また待遇面でみても、一般的なドラッグストアや調剤薬局よりも働きやすい環境が整っています。
大手なら土日祝日は休みで、年末年始やゴールデンウィーク、お盆休みなどに長期休暇を取得することも可能です。プライベートと仕事を両立させたい方にとって、理想的な労働環境が提供されているケースも少なくありません。
ただし、人気が高く、なかなか求人が掲載されません。少しでも研究職に興味があれば、製薬会社の求人を見かけたらすぐに申し込むことをおすすめします。
デメリットとしては、製薬会社で得る知識は薬剤師以外に活かしにくいことです。将来的に全く違うキャリアを希望する際に、スキルとしてアピールしにくい点は覚えておきましょう。
SMOの治験コーディネーター
SMOはSite Management Organizationの略で、日本語では「治験施設支援機関」と呼ばれています。
医療機関と提携して治験コーディネーター(CRC)を派遣して、治験業務がスムーズに進むように支援するのが主な仕事です。
支援する内容は、担当医師による治験実施の説明や被験者の選定、患者への説明など多岐に渡ります。
治験コーディネーターとして働くには特別な資格は必要ありません。ただ、医療者や患者に医薬品や治療法を説明する必要があるため、薬剤師や看護師、臨床検査技師など医療関係の有資格者が適任であるといえます。
薬剤師資格を保有しているなら、SMOへの採用面接で強くアピールできるでしょう。
製薬関連以外にも薬剤師の資格を活用できる転職先がある

前章では製薬業界に関連した職種を紹介しましたが、他の業界でも薬剤師の資格やスキルを活かすことは可能です。
ここでは、製薬関連の企業以外に薬剤師の転職先としておすすめの業界・職種をご紹介します。
- 在宅医療の現場スタッフ
- 学校薬剤師
- 薬科大学や専門学校の教員職
- メディカルライター
- 公務員
在宅医療の現場スタッフ
医療の技術は確実に進歩しており、入院日数は年々短くなっています。
一方、超高齢化社会に移行している影響もあって、医療を受ける場所は病院から自宅に移行しつつあります。
薬剤師においても、今後の活躍の場面は病院や調剤薬局だけはありません。在宅医療の現場での活躍が期待されています。
在宅医療の現場で働く薬剤師は、個人宅や介護施設に訪問して薬の配達や服薬指導をするのが主な役割です。薬の残り具合を管理して次回の受診のタイミングを伝えることや、患者の状態によって錠剤を粉砕したり味を隠したりといった細かい対応をすることも求められます。
また、終末医療を自宅で過ごす患者さんに対して、医療用麻酔の提案や管理をすることも、薬剤師が関わる重要な仕事です。
学校薬剤師
学校に所属する薬剤師として働く道もあります。
学校薬剤師とは、認定こども園、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、高等専門学校などで働く薬剤師のことです。
主な業務としては、以下のようなものがあります。
- 薬品類の使用・保管
- 学校環境衛生(換気、採光、照明など)の維持管理に関する指導
- 健康相談・保健指導 など
大学を除く学校では学校薬剤師を選任することが学校保健安全法で定められており、薬剤師の有資格者であれば学校薬剤師になることは可能です。
ただし、地域の薬剤師会を通して委託されることになり、学校薬剤師を専業で従事する求人が転職サイトに載ることはほとんどないと思っておいて良いでしょう。
薬科大学や専門学校の教員職
薬科大学や専門学校の教職員として活躍することも可能です。
薬科大学で教員として働くには博士号が必要なケースが多いですが、興味のある分野をとことん研究できる魅力があります。
一方、薬剤師として得た知識や経験で、専門学校の教師や国家試験予備校の講師として採用される道もあります。
いずれも人にものを教えたり、学生やその親とやりとりをしたりすることから、コミュニケーション能力が求められる仕事です。
メディカルライター
メディカルライターとは、一般人向けや専門職向けの雑誌やWebサイトに向けて医療情報を執筆する人のことです。
所属する組織は幅広く、医療系の広告代理店や医療系の出版社に属するケース以外に、フリーランスとして個人で活動しているケースもあります。
医療や調剤の現場に立つわけではないので、専門的な知識があれば資格は必須ではありません。しかし、実際には専門性の高さを証明できる薬剤師や医師、看護師の有資格者が採用試験で評価されやすいです。
専門的な資格と知識を活かし、すでに完成した記事の「監修業務」を依頼されることもあります。
公務員
薬剤師は民間企業や医療機関だけでなく、公務員として働くこともできます。
公務員薬剤師は国や地方自治体などの行政機関で働く薬剤師であり、「国家公務員薬剤師」「地方公務員薬剤師」に分かれます。
ひとくちに公務員薬剤師といっても職種は幅広く、一例としては以下のような仕事があります。
- 自衛隊で勤務する薬剤官(自衛隊薬剤師)
- 国の機関に所属する薬系技官
- 麻薬取締官
- 都道府県や保健所、公立病院など
民間のドラッグストアや調剤薬局と異なり、業績悪化で減給されたり解雇されたりする心配は無用です。昇給やボーナスも安定していて勤続年数によって年収も徐々に増加していくため、安定した働き方を目指す人にはおすすめの選択肢といえます。
ただし、国家公務員採用試験や都道府県や市町村が実施する公務員試験に合格する必要があり、民間企業に採用されるのに比べて難易度が高くなっています。
公務員に応募するには一般的に20代後半~30歳までの年齢制限もあるため、公務員薬剤師を目指すなら少しでも若いうちから試験対策を始めることが肝心です。
薬剤師が転職サイトを利用して転職活動を進める流れ

薬剤師が転職活動をするのに転職サイトを利用する場合でも、求人検索や応募は自分でしなければならないケースも少なくありません。
転職エージェントなら求人紹介や応募手続きは担当のキャリアコンサルタントに任せられますが、いずれにしても転職活動の流れを知っておくことは大切です。
基本的に、転職活動は以下のようなスケジュールで進んでいきます。
- 事前準備
- 会員登録
- 求人検索・求人紹介
- 書類選考
- 面接
- 内定受諾・退職手続き
- 入社
事前準備
薬剤師の方が転職サイトや転職エージェントに登録する前に以下のような書類を準備しておきましょう。
- 履歴書
- 職務経歴書
- 薬剤師免許証
- 保険薬剤師登録票
面接時にはこの4点が必要になることが多いので、事前に準備しておくと、直前に急いで用意する必要がなくなります。
会員登録
登録したい転職サイトや転職エージェントが決まったあとは登録作業をすることになります。
各転職サイトや転職エージェントのトップページに移動し、申し込みフォームから情報を登録します。
入力する項目は転職希望者の個人情報や職務経歴に関することです。サイトによって入力内容に若干の違いがありますが、一般的に以下のような内容を確認されます。
- 氏名
- 住所
- 生年月日
- 電話番号
- メールアドレス
- 希望する転職先
- 転職希望時期
- 希望勤務地
- 前職の業種
- 経験したことのある職種
- 現在、または直近の年収 など
転職サイトでは登録完了後すぐに求人の検索や応募が可能です。
専任のキャリアコンサルタントがつく転職エージェントの場合は、登録後に初回面談が入ります。入力した情報を転職エージェント側が確認した数日後にメールか電話で返信がくるので対応しましょう。
キャリアコンサルタントとの初回面談では、職歴や希望する業界・職種などの聞き取りが行われます。
転職エージェントではキャリアコンサルタントから求人を紹介してもらえますが、この面談で説明した希望する待遇や働き方に近い求人が紹介される仕組みです。
求人検索・求人紹介
転職サイトでは、自分の好きなタイミングで掲載されている企業に応募できます。ときには企業やヘッドハンターからのスカウトが届くこともあるので、気になる企業からのスカウトであれば返信しましょう。
転職エージェントでも公開求人を検索することができますが、メインになるのはキャリアコンサルタントからの求人紹介です。
紹介されたなかに気になる企業があれば、応募の意思をキャリアコンサルタントに伝えてみましょう。転職希望者に代わって応募の手続きをしてくれます。
ただし、全て自分が希望する職種や待遇の仕事だけが紹介されるわけではありません。
紹介された求人が自分の希望に沿っていない場合は遠慮なく断ってしまって問題ありません。このとき「なぜ応募しようと思えないか」を明確にキャリアコンサルタントに伝えましょう。次回以降は、より自分の希望に近い企業が紹介される可能性が高くなるでしょう。
書類選考
気になる企業が見つかったあとは、いよいよ企業に応募して書類選考を受けることになります。
転職サイトは自分で応募が必要ですが、転職エージェントはキャリアコンサルタントが応募を代行してくれるので簡単です。
企業の採用担当者は、転職希望者やキャリアコンサルタントから受け取った履歴書や職務経歴書で評価をしていきます。応募の必須条件(年齢や資格など)を満たしているかはもちろんのこと、志望動機や自己PR、提出書類が丁寧に作成されているか、空欄がないかといった一般常識の部分まで、あらゆる部分が選考の対象になるので注意が必要です。
書類選考をクリアしたか否かの連絡は、一般的に1~2週間くらいで届くことになります。
もし「書類選考を受けずに面接に進みたい」と考えている場合、転職サイトのスカウト機能に登録しましょう。
スカウトはヘッドハンターだけでなく、企業の採用担当者から直接送られてくる場合があります。企業からのスカウトがきた時点で採用担当者は転職希望者のレジュメ(職務経歴書)を確認済みであるため、書類選考なしで面接に進めるケースが多いです。
面接
書類選考を突破したあとは、採用担当者との面談に進みます。
面接では履歴書や職務経歴書に書かれた内容について、更に詳しい話を聞かれることになります。
単に履歴書や職務経歴書の内容を繰り返し話すのではなく、履歴書や職務経歴書に書ききれなかったエピソードや熱意を語ることが大切です。
また、面接時には指定のあった持ち物を忘れずに持参してください。メモ帳や筆記用具も持参して必要な内容でメモをとると、入社熱意のある人材として好印象を与えられる可能性もあるでしょう。
なお、面接の合否の連絡は、面接日から1週間前後で届くことが多いです。
内定受諾・退職手続き
内定受諾後は今働いている職場に退職の意向を伝えましょう。退職日を決めないと転職先への入社日を決められないため、仮に引き止められたとしても明確に退職日を決めるように話を進めてください。
一方、転職先の企業からは「労働条件明示書」という書類が届きます。給与や月の労働日数、残業、福利厚生などの労働条件が記載された書類です。求人情報や面接時に説明された内容に相違がないことを確認しておきましょう。
入社
入社日になったら、出勤時間や場所、服装、持ち物などにミスがないことを確認して出勤しましょう。
無事に入社できれば転職活動は完了です。
なお、転職エージェントを利用する場合、入社から数日後に転職後の状況を聞かれる可能性があります。条件面で相違があったり、不安に感じていることがあったりしたときは正直に報告して、悩みを解決した状態で仕事に臨みましょう。
薬剤師が転職を成功させるためのポイント

薬剤師は難易度の高い国家資格を持った薬剤のプロですから、転職市場でも有利になることが考えられます。
しかし、ただ闇雲に登録するだけでは、自分が希望する企業から内定を得られない可能性もあります。
そこで、薬剤師が転職を成功するために事前に知っておきたいコツ・ポイントを紹介します。
これから転職活動を始めようと思っている薬剤師の方は、以下の4つのポイントを把握しておきましょう。
- 転職の目的や軸を明確にする
- 自分のスキルや資格を活かせる仕事にする
- 転職に有利な時期を選ぶ
- 面談では第一印象を大切に
転職の目的や軸を明確にする
薬剤師に限ったことではありませんが、転職を成功させるなら転職の目的や軸を明確にしておくことが大切です。
転職する目的については、同じ薬剤師でも全く異なります。あくまでも一例ですが、以下のような目的で転職活動をするケースが多いはずです。
- やりがいを見つけたい
- 今よりも高年収の職場を探したい
- ワークライフバランスを整えたい
- 人間関係で苦労しない職場を探したい
- 通勤距離が短い仕事を見つけたい など
上記のどれを自分の目的にするかによって、探すべき求人は全く異なってきます。
目的が明確でないまま転職活動をして内定を得たとしても、入社後に不満を感じて早期退職する可能性もあります。
まず、自分が今の職場で不満に感じていることや、転職したらどのような待遇・働き方が良いのかを紙に書き出してみましょう。
次に、書き出した希望条件に「優先度」をつけます。全ての希望条件をクリアできる企業はほぼないため、早期に転職を成功させるなら「絶対にゆずれない条件」は厳選しましょう。
「残業さえなければ通勤時間が長くても我慢できる」「年間休日が多ければ給与は多少低くても良い」など、希望条件に優先準備をつけることで、実際に求人同士を比較検討する際のものさしになります。
「何を最優先するのか」という転職の軸が明確になれば、数ある求人から第一候補を絞りやすくなるでしょう。
どうしても自分だけで転職活動の軸を決められない場合は、転職エージェントを利用しましょう。キャリアコンサルタントに相談することで自分では決められなかった転職の軸の決め方についてアドバイスを受け取れます。
自分のスキルや資格を活かせる仕事にする
転職先を探すなら、これまで自分が身に着けたスキルや経験を活かせるかを考えましょう。
薬剤師以外の道に進みたいと考えて異業種に飛び込む覚悟がある人も多くいるでしょうが、今までのスキルを全く活かさないのはもったいないです。
薬剤師では調剤や服薬指導だけでなく、往診同行による在宅医療などあらゆる経験を積んできたはずです。
これまで積み上げてきた薬剤師のキャリアや専門知識を活かせる職場を選ぶことで即戦力として活躍でき、職場にも早くなじむことができます。
転職に有利な時期を選ぶ
転職活動を有利に進めるなら、求人が多い時期や、転職希望者が少ないタイミングを狙うと良いでしょう。
例えば冬のボーナスが支給されてから、新年度を迎えるまでの12~1月は、薬剤師に限らず求人募集が増える傾向にあります。
さまざまな求人を比較検討しやすく、自分の希望に近い企業に絞って転職活動を進めることも可能です。
ただし、12~3月は転職市場が活況でライバルが多く、希望に近い企業が複数見つかっても簡単に内定を得られるとは限りません。できるだけ早いうちから業界研究や企業研究を進めて、ライバルに差をつけた状態で転職活動に挑みましょう。
逆に転職希望者が少ない時期を狙うというのも1つの方法です。夏のボーナスが支給される8月から冬のボーナスが支給される12月までの間は、一般的に転職を考える人が比較的少ないと言われています。
ほかの転職希望者と争いにくく、じっくりと会社選びができるメリットがあります。
ただし、12~1月と比べて求人が少ない傾向にあるため、希望に近い企業が見つかりにくいというデメリットもあります。
面談では第一印象を大切に
「人は見た目が9割」という言葉を聞いたことはありませんか?
「メラビアンの法則」と呼ばれるもので、相手に自分の感情を伝えるとき、実際の言葉そのものが占める割合は全体の約7%にすぎず、そのほかの大部分は見た目から感じ取れる情報が占められているというものです。
面接でも同様、採用担当者の目に映る転職希望者の見た目で、第一印象がほぼ決まってしまうと思っていたほうが良いでしょう。
以下のような見た目では、どれだけ立派な志望動機や自己PRを用意していたとしても、採用担当者の評価が下がってしまう可能性があります。
- 髪の毛がボサボサで整えられていない
- ワイシャツにシワや汚れがある
- 革靴に汚れが目立つ
- 男性は無精ひげが生えている
- 面接にふさわしくない華美な服装である など
医療関係に転職する際に限ったことではありませんが、清潔感を大切にして当日の服装や身だしなみをチェックしましょう。
面接や企業説明会の前はスーツをクリーニングに出したり、ワイシャツにアイロンをかけたり、美容室で髪型を整えたりと、できる範囲で身だしなみに気を遣いましょう。
薬剤師の転職に関してよくある質問

最後に、薬剤師の転職についてよくある質問と解答をまとめました。
転職サイトに登録するとしつこい連絡がくるの?
薬剤師型の転職サイトの場合、担当のキャリアコンサルタントがついて転職をサポートしてくれる「エージェント型」であることが多いです。
希望する求人の特徴をキャリアコンサルタントに伝えることで、条件に合う求人をどんどん紹介してくれます。
ただし、連絡が密になるので、人によっては「しつこい」と感じることもあるかもしれません。キャリアコンサルタントは転職希望者が内定を得て転職を成功させることで初めて評価されるので、希望とは違う求人でもどんどん紹介してくる場合もあります。
希望しないジャンルや待遇の求人ばかり紹介されるときは「希望する内容に絞って紹介して下さい」と正直に伝えて問題ありません。条件を絞れば紹介される回数は少なくなるため、しつこいと感じにくくなります。
転職しないほうが良い薬剤師の特徴は?
転職しないほうが良い薬剤師の特徴としては「自社の良さを再認識した人」や「転職活動中に自社の待遇が向上した人」です。
転職活動を始める前は自分の職場に対して不満を感じていた人でも、転職活動を通じて「今の職場って、悪くないんじゃ?」「今の職場の待遇の良さが分かった」となるケースがあります。
転職活動を通じて自社の良さを再認識し、その良さが今まで感じていた不満を我慢するに値するものであれば、転職活動はせずに今のまま働き続けたほうが良いかもしれません。
また、転職活動をしているあいだに「賞与が大幅に上がった」「査定が上がって基本給が上昇した」「ワークライフバランスが整った」といったように、職場で不満に感じていた待遇が改善することもあります。
転職の理由が「待遇が悪いから」というものである場合、待遇が改善されれば無理に転職する必要もなくなります。
薬剤師の年齢は若すぎたり年齢が高すぎたりするとダメ?
ひと昔前まで薬剤師は人手不足とされており、年齢や経歴で書類選考を通過できないことがないような状態が続いていました。
ただ、昨今では年齢要件などが合わないと書類選考で落ちるケースもあるようです。
転職サイトで求人の募集要件を見ると、年齢について上限が設けられているケースもあるかもしれません。今後は薬剤師の採用が厳格化されることを前提に自分の年齢を振り返り、転職活動を始めるかを決めると良いでしょう。
とはいえ、20代に関しては一般的な転職市場と同様、将来性や伸びしろがあることから、求人応募の条件から漏れてしまうことはほぼないでしょう。企業は長期的に活躍してくれる人材を集めているため、年齢が若いに越したことはありません。
逆に、50~60歳以上といった高齢の薬剤師の場合、書類選考の段階で採用が見送りになる可能性が高くなります。これは一般企業でも同様で、50~60歳代から正社員として雇うところはほぼありません。仮に採用されるとしたら、契約社員など正社員以外の雇用形態になることが多いです。
50~60歳の薬剤師でも転職を諦める必要はありませんが、正社員という雇用形態にこだわると転職が難しくなるかもしれません。
まとめ:薬剤師が転職するならどの業界でも転職サイト・転職エージェントがおすすめ
薬剤師から薬剤師に転職する場合はもちろん、薬剤師からMR、学校薬剤師などに転職する場合も、転職サイトや転職エージェントなら効率良く転職活動が進められます。
薬剤師として十分なキャリアや実績を積んだ人が転職活動するなら「マイナビ薬剤師」「ヤクジョブ」などの薬剤師向け転職サイトの利用がおすすめです。薬剤師のスキルや資格を求めている企業や病院、ドラッグストアなど多くの求人が集まります。
転職を成功させるなら、転職の軸・目的を事前にはっきりさせておくことも重要です。「今の職場の何が不満なのか」「転職先に何を求めるか」「複数ある希望条件の何を優先するのか」といった点について、自己分析を進めることでミスマッチを防ぎやすくなり、自分に合う企業選びが進むようになります。
今回紹介した薬剤師向けの転職サイト・転職エージェントを利用し、希望条件に合った転職先を探してみてください。